「SUNBEAMS」ミニアルバム「COLOR.EP」レビュー

まず最初に言い訳

自分に音楽を語る資格があるかと言われれば果てしなくノーだと思う。楽器は何一つ弾けないし、最新のヒットチャートを分析している訳でも音楽理論を知ってる訳でもない。音楽の知識も無い上自分の趣味で聴いてる楽曲もマイナーなものばかりだ。しかしネットやそれに付随するプラットフォームが整った昨今、ある一定のマナーやルールに従えば(それも守らない輩も居るが筆者もリテラシーがある方かと言われればそうでもない)誰でも発信が出来るいい時代になった。という事で暗い前置きになったが何せ今これを書いているのは朝の四時である。睡眠障害を持つ身は辛いが静かな朝に書ける幸せに浸って思うまま書いてゆくことにする。以下すべて敬称略。

手触り感の薄くなった今の音楽シーンで

変な前置きはさておき、昭和のセガ部(仮)の最高名誉顧問「あべっち」率いる「SUNBEAMS」がニューアルバムを出したのだ。これは素直にいちファンとして応援したいし、実際僕はサンビームスが好きである。そして今どきどうなのかとも思うが配信派では無く未だにアルバムを買ってしまう派だ。今回リリースされた「COLOR.EP」は配信に加えてデジタル販売というちょっと特異な方式をとっているが、配信全盛の時代のアルバム提供形式としては妥当だと思う。日本は未だにフィジカルディスク(現物)を好む文化もあるが、実際はCDをプレスするコストと在庫の管理の問題があるのであろう事は想像に難しくない。デジタル販売版のオススメポイントとしては「セルフライナーノーツ」「ミックス指示書」「ジャケット&歌詞カード」がデータとして付随してくる。このアルバムを深堀りするにはもってこいの資料なので少しでも興味のある方はデジタル販売版を強くオススメする。配信は2025年6/21からの予定。

サンビームスストアリンク

SUNBEAMSについて

SUNBEAMS(神戸)とはどんなバンドなのかと言うと、にわかファンの自分が語るのは憚(はばから)れる気がするが自分が接してきた情報で何とか書いていきたい。1997年頃(推定)の神戸の大学サークルから誕生以後、恐らくボーカル&ギターの「あべっち」を中心として活動。時には某海外のミュージシャンの来日時のサポートアクトもしていたらしい。2022年に13年振り(それ以前のものは筆者調べ不明)という3曲入りシングルCD「DEVICE.EP」を発売。その後の2023年9月、メンバー間の不和によるものなのか定かではないが活動休止。しかしサブボーカル・コーラス兼キーボード、ギター担当(どんだけ出来る人なんだ)の「けい」とユニットとして「COMBAT HONEY(コンバットハニー)」として活動は継続。半年近くのライブ活動を経てSUNBEAMSの名称を再び掲げ、ドラムに「アル(Bacon)」、旧サポートメンバーでもあった「もーさん(MoreSun)」こと祐介(関東)をベースに迎えバンドとして「SUNBEAMS」として復活した(復活ライブの動画は当ブログオフィシャルに掲載中)。主に神戸を中心に関東では下北沢でライブ活動。そして今回2025年6月に新曲と共に音源化されて居なかったものも含めた4曲入りミニアルバム「COLOR.EP」をリリースする事となった。

「ゲーム音楽の発達」と「パワーポップ」の不思議な関係

パワーポップとはその名の通りキャッチーでポップなメロディにパワフルなロック調のサウンドが組み合わさった1970年代から発生したジャンル、らしい。というのも筆者の音楽遍歴を再び書かせてもらうと「せがびと」と言うからに音楽と言えば駄菓子屋ゲーセンで聴きまくった「ゲームサウンド」に触れたのが最初であり、「細野晴臣」あたりがゼビウスのアルバムを出したのを怪訝(けげん)な顔で眺めながら「ドルアーガの塔」等のナムコサウンド、澄んだ音色が特徴の「ツインビー」や「グラディウス」に代表されるコナミサウンド、業界初のFM音源搭載と言われる「戦場の狼」に続くカプコンに酔いしれ、セガの初の体感ゲームでありゲーム音楽としては初であろうバンド・サウンドを取り入れた「ハングオン」からセガに傾倒していく歴史がある。(せがびとブログっぽくなりましたね)
そういった電子楽器の発達、時にヤマハのシンセサイザー「DX−7」が大ヒットしメインストリームの音楽界隈でも電子ミュージックが流行り出した背景があった気がする。筆者が生まれて初めて買ったレコードは「富田功」と映画「トップガン」のサントラであったが今思い返すとトップガンに収録されていた「チープトリック」の「マイティウイングス」は英語の歌詞を丸暗記する程聴いていた。音楽自分史の中でギターの魅力に目覚めたのはこの時だと思う。そのすぐ後にセガの「アフターバーナー」がリリースされ、サンプリングされたギターサウンドに酔いしれたのは今でも鮮明に記憶している。80年代はデジタル化による電子サウンドが活発に、そしてより花開いていった時代だったと思う。

電子とギターとボーカルのハーモニー

話は戻ってサンビームスである。筆者が得に特徴的だと思うのはKORGのアナログ(を再現する?)シンセ等を使ったキーボードの音色がやけに懐かしく、可愛く、その旋律も軽やかながらパワフルなギターにマッチしている点だ。シンセサウンド全体のイメージがキーボード担当の「けい」のビジュアルそのものを想像させる点も個人的に面白く感じている。アルの技術とパワーに裏打ちされたドラムも素晴らしいし、やたら主張の強い(失礼)もーさんのベースも聴かせどころがある。このアルバムに限らなければテンポが緩めな楽曲もあるのだが大体にして感じる印象は「疾走感」だ。常に前へ前へと走っていくこの感じはどこから来るのだろう。曲の構成なのかサウンドそのものなのか。加えてどこか切ないのにひたすら前向きで明るい「歌詞」である。この全てがブレンドされてどこにも無い「SUNBEAMS」の楽曲の魅力が溢れ出る気がする。更に言えば「コンバットハニー」の短い活動期間の中で模索したであろう「男女混成ボーカル」が今回のアルバム「カラーEP」では華やかさを増させていると感じさせる。

曲の感想

まず一曲目「銀色太陽」。厚みのあるギターの音色に所々に溜めもありつつのメロディに思わず乗っかってしまうひたすら陽気な曲調が魅力的である。曲の明るい感じに思わず聴き流してしまいそうになる「歌詞」だがこれがまた泣かせに入ってくる。ここでネタをバラすのは本当に気が引けるのだが一応当人に許可を貰う前提で書かせて貰うと今は亡きバンド「Silver Sun(題名と被る)」に捧げる曲として書かれたものらしい。出会いから別れ、例えかっこ悪くても今は亡き背中を追い続け歌い継ぐという詩に目頭が思わず熱くなってしまった。

二曲目は何とメインボーカルが「けい」の「脳内オノマトペ」。筆者の古い上に申し訳ない知識だが「ドリームスカムトゥルー」の中村正人は初めはツインボーカルを目指して居たが吉田美和の才能の開花、グループ内の方向性の修正の為泣く泣くコーラスワークに努めたというのは有名な話。そう、ここで言ってみれば中村正人がメインボーカルの曲を出す様なもの(?)。しかしか細いながらも可愛さ1000%の「けい」のボーカルがハイテンションなリズムと華々しいシンセにぴったりな楽曲になっている。歌詞はコミカルなのに伸びがあり、今にも走り出しそうなサビの部分が聴かせどころだと思う。細かなギターエフェクトやテクニカルなドラムが聴いていてとても気持ちがいい。

三曲目「カラー」。サビの「世界は優しくて残酷だ」からの部分、含めこの曲自体が全体的に「SUNBEAMS」のテーマカラーであると勝手に感じている。ダジャレでは無く「ダウンロード・配信版アルバム」である「One by One」に収録されている筆者の大好きな「Dawning」に集約される様な世界を優しく思う幸せな世界観が見事なコーラスワークと歌詞に現れている気がするのだ。ブリティッシュロックを感じさせるギターの音色とシンプルなドラムが伸びやかな歌声と相まって見事な音の空間を彩っている。重ねて言うがダジャレでは無い、本音である。

四曲目ラストを飾る「ジェネレーション」。オープニングの生ピアノ音色からのファニーなシンセで「サンビームス節キタよこれ!」と思わせる一曲。真っ直ぐ前向きな歌詞、うねるシンセのパートに思わず引き込まれる。「SUNBEAMS」の歴史としては10年近く前から演奏している曲らしいのだが大胆で華々しいポップなシンセの旋律とAメロBメロから一瞬のタメがあってからのサビは王道だと思うが心を掴まされ、高音域でループするシンセの音色もクセになる。

以上2025/6/21配信(先行販売済デジタルアルバムもある)「SUNBEAMS」の「COLOR.EP」について語ってみました。7月には関東「下北沢」でもライブが開催(オフィシャルリンク)。まだまだ眠っている楽曲もあるそうで、さらなる楽曲の音源化への期待が高まるが、まずは今回リリースされた「COLOR.EP」をいちファンとして皆さんにオススメしたい。

SUNBEAMS OFFICIAL SITE(オフィシャルサイト)

オフィシャルサイトより転載

ani

直球のSEGA原理主義者。生まれて初めて買ったゲームは「セガMark III」ゲームとお酒が大好き

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